高齢者が気をつけたい病気に生活不活発病とフレイルがあります。生活不活発病とは簡単に説明すると、生活が不活発になったことが原因で身体や頭の働きが低下する病気です。生活が不活発になるとは、体を動かさないことです。体を動かさないことによって生活不活発病が生じ、生活不活発病が発症したことによってさらに動けなくなり、負のスパイラルに陥ります。

体を動かさなくなる原因は社会参加の低下や生活動作自体のやりにくさ、生活動作の量的制限などです。定年退職や家族との同居、地震や台風など自然災害が社会参加の低下につながります。また、やりたいことがあるにもかかわらず、家族や周囲に気を使って遠慮してしまい動かなくなるケースもあります。

生活動作自体のやりにくさは、身体的な病気によるものが多いです。例えば、脳卒中による体の麻痺などです。生活動作の量的制限としては、主に季節の影響や病気後の生活動作の制限などがあげられます。生活不活発病の症状は全身に影響するものと体の一部分に起こるもの、精神に起こるものがあります。具体的には全身に影響するとして心肺機能の低下や消化器機能の低下があげられ、体の一部分としては関節拘縮や筋力の低下、精神に起こるものとして、うつ状態や周囲への無関心などがあります。

フレイルとは加齢によって心身が衰えた状態で、海外の老年医学の分野で使用されている虚弱や脆弱などを意味する英語のFrailtyが語源です。フレイルには基準があり、意図しない体重の減少や歩行速度や握力の低下などです。高齢者や持病を持っている人は、特に生活不活発病やフレイルに気をつける必要があります。